治療方針と目標

治療方針を立てるために | 治療目標

治療方針を立てるために

乾癬の治療方針を立てる第一のステップとして、乾癬の重症度を評価することが大切です。 乾癬の状態を把握し、治療に役立てるためにさまざまな評価法が用いられています。 評価方法には、乾癬全般の重症度を評価するPASI、日常生活の障害度を評価するDLQI、PDI、爪乾癬の重症度を評価するNAPSIなどがあります。また、全身のどのくらいの面積に症状が出ているかをはかる指標として、BSAがあります。

◉BSA(Body Surface Area involvement)

  • 症状の表面積をはかる指標です。

◉PASI (Psoriasis Area and Severity Index)

  • 全般の重症度を評価します。皮疹の面積と症状の程度(皮膚の赤み、もり上がり、銀白色のフケ状の皮膚)を頭部、体幹、上肢、下肢で総合的に評価する方法です。
  • 「パシ」とよばれます。

◉DLQI(Dermatology Life Quality Index)

  • 日常生活の障害度を評価します。

◉PDI(Psoriasis Disability Index)

  • 乾癬に特異的なQOL(Quality Of Life;生活の質)を評価する指標です。

◉NAPSI(Nail Psoriasis Severity Index)

  • 爪乾癬の重症度を評価する指標です。

治療目標

患者さんに最も適した治療法を、医師や専門家と一緒に見つけていくことが大事です。一人ひとりの症状やライフスタイルに合った治療法を選び、 皮膚や関節をよりよい状態にコントロールすることで患者さんの苦痛をできる限り取り除き、QOLを高めることが、乾癬の治療の目的です。

症状がよくなっている期間を長くする: 軽快 <-> 悪化

治療を受けて症状がみられなくなっても、完全に治った(治癒した)わけではないことが多いので、再び悪化させないために引き続き薬の使用や皮膚のケアは必要です。症状がよくなっている状態をできるだけ長く保つのが、治療目標のひとつです。

乾癬の種類や症状、患者さんが置かれている状況などによって、適切な治療方法は異なります。まずは皮膚科医の診断、治療を受けてください。また、乾癬について悩みや不安、相談したいことなどがある場合は、各地に患者会がありますので、問い合わせてみるのもいいでしょう。

大切なことは、患者さんにとって最適な治療法が見つかり、その治療に前向きに取り組むことです。

ページの
先頭へ戻る