働き盛りの男性視点の乾癬治療

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メタボ” や 肥満は 乾癬の火に油

男性は女性の2倍、乾癬の発症頻度が高く、特に中年期、働き盛りでの発症が多く見られるという特徴があります。この年代の男性は、乾癬以外にも糖尿病や高血圧などのメタボリックシンドローム、そして肥満といった身体的な問題を抱えていることが多いのですが、実は最近の研究によると、肥満やメタボリックシンドロームも乾癬を悪化させる重大な要因のひとつであることが分かってきています。乾癬患者さんの場合、皮膚や関節で起こっている炎症が血液を通じて全身にも運ばれ、全身で炎症が生じています。また、肥満になると、脂肪細胞からの炎症も加わり、さらに全身の炎症が促進されます。このようにして、皮膚と脂肪細胞が相互に全身の炎症を増幅して、さらに乾癬が悪化していくという悪循環を形成してしまうと考えられています。

「治療疲れ」を 起こさない ペースを見つける

中高年男性の患者さんの場合いつも壁にあたるのが、仕事と治療のバランスをどのようにとっていくかということです。仕事があるので、自由に通院の時間を確保できないというのは、多くの患者さんが持つ悩みですが、それ以外にも、「朝は忙しくて軟膏を塗る時間がない」、「夜、仕事から帰ってくると疲れて軟膏を塗らずに寝てしまうことがある」など、自宅での日常生活においても、治療のための時間を確保するのが難しいと感じています。そんな時は、発疹を全て綺麗にしようと考えるのではなく、「見えるところだけでも良くしよう」とか、薬を全身に塗るのが大変なら、「良くしたいところだけ塗るようしよう」と患者さんに話しています。乾癬は長くつき合っていく病気です。そのため、限られた時間の中で、治療疲れせずに続けられるペースを見つけることも大切なことだと思います。

仕事以外の 時間を 持つことの意義

ストレスは乾癬を増悪させる最大の要因で、残業や出張が続いて時間的にも肉体的にも負荷が大きくなってくると、いつも通りに服薬しているのに症状が悪化することもあります。そして、乾癬が悪化して発疹が出始めると職場などで人目が気になり、ますますストレスが強くなるという悪いサイクルになります。そのため、私は患者さんにはできるだけ、仕事以外の日常生活を充実させることもお勧めしています。ウォーキングやジョギングなどの趣味を持てると、体重の減少にもなるので、乾癬の治療にも良い影響を及ぼします。乾癬のことを忘れるくらい何かに取り組むことができれば、発疹に対する意識も弱まり、仕事で受けているストレスの解消にも繋がっていくと思います。

 

男性の日常生活に潜む乾癬の悪化要因

乾癬を悪化させる要因は、体の中と体の外の両方に潜んでいます。 日常生活の中のどんな状況に悪化要因があるかを知っておくことが、まずは大切になります。

実は、病院で処方される高血圧などの薬の中には、乾癬を悪化させるものもあります。乾癬以外の病気で医療機関を受診するときは、現在、乾癬の治療中であることを伝えましょう。喫煙は発疹や痒みが出て乾癬を悪化させてしまう可能性があります。また、喫煙すると喉にも影響があるため、風邪をひいたり、扁桃腺炎を起こす原因になってしまいます。なるべく減煙、可能であれば禁煙することを心がけましょう。

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