愛する人から傷つけられたと感じたら

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アリソンさんの経験

アリソンさんは、イギリス・マンチェスター近郊のランコーンという町で夫と猫と共に暮らしています。彼女は神経科学の学位を持つメディカルライターであり、人々がどのように世界を見ているかということに非常に興味を持っています。アリソンさんは7年間乾癬を患っており、その間にさまざまな症状の変化を経験してきました。

 

私が乾癬を発症したのは17歳の時ですから、もう7年ほど前になります。最初は耳に爪の大きさほどの小さな斑点ができただけでしたが、大学時代に徐々に悪化していきました。特にストレスを感じた時に症状がひどくなりました。今では頭皮全体、おでこ、顔や首の一部にまで広がっています。背中や胸、足にも斑点は出ています。

乾癬が私の人間関係に与えた影響について考えると、母との関係を思い出します。

私の母も乾癬患者で、頭皮や耳の周りに症状が出ています。私が乾癬の診断を受けるまで、医師は母に対してその症状を「湿疹」と告げていました。医師から「家族で乾癬にかかっている人はいますか?」と聞かれたとき、私は自分の母親の”湿疹”を思い出しました。その湿疹はなかなか治らないものでした。

私の症状とは異なり、母の乾癬は目立ちませんし、正しい診断を受けてからは外用剤の塗布でコントロールできています。

私は母を愛していますが、母はうまく立ち回るタイプの女性ではありません。ですから乾癬によって、私たち親子の関係が危うくなったこともありました。

幼少期、母と同居していた頃、母が朝起きて最初に目にするのは私の顔でした。乾癬が特にひどい日の朝は、母が顔をしかめるので、私にもそうとわかりました。

気に入らない髪型や服装をしているときと同じ顔です。口をすぼめて頭を振り、がっかりしたような声で言われたものです。

「アリ・・・肌の調子が良くないわね・・・。」

まだ朝食も食べてないときに肌の調子の悪さを指摘されるのは、気持ちの良いものではありません。ですから、返事はいつも簡単なものでした。

「大丈夫。メイクで隠せるから。」

そして、苛立ちと恥ずかしさを抱えて、のろのろと二階の部屋に戻ったものでした。

今では、母は私に対して正直であろうとしていたのだとわかります。母は自分自身も乾癬を患っていましたので、かゆみや不快感があることはわかっていました。だからこそ、私が外見によって周囲の人からどう扱われるかを心配していたのだと思います。

母の心配と(時に残酷な)その正直さは私を傷つけようと思ってのことではなく、母なりの気づかいなのです。今では、助けが必要な時は、そこに母がいてくれると信頼しています。友人の結婚披露宴出席の直前に症状がひどく悪化したときには、コンシーラーを探して町中を一緒に走り回ってくれました。   

アリソンさんからのアドバイス   

乾癬患者のみなさんには、あなたが大事に思う周囲の人々に対して忍耐強くあってくださいとお伝えしたいです。肌が赤くなっていたり、がさついていたりすると、外見が気になるものです。けれど誰かが無神経なことを言ってもそれを悪く受け止めるのではなく、なるべく良い方に受け止めてほしいのです。自己防衛に走ったり、怒りにかられたりする必要はありません。私の母がそうだったように、彼らもあなたを傷つけるつもりはないのかもしれません。

私も常にできているわけではありませんが、母にとって最善の言葉で表現したいと思っていますし、母も私にとって最善の表現をしたいと望んでいるのだと思います。

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