秋から冬へ:乾癬の悪化を予防しましょう

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乾燥対策

冬は、日が短くなることや空気が乾燥することなどから、乾癬の皮膚の症状は冬に悪化する傾向があるといわれています。特に尋常性乾癬の患者さんにとって、乾燥しやすい冬は肌の角質が増すため注意が必要です。

乾燥すると肌が痒くなりついつい掻いてしまうこともあるかもしれませんが、掻き壊し傷から乾癬が生じ(ケブネル現象)1 ますので、掻かないようにすることが大切です。乾燥対策として、保湿クリームをこまめに塗ること、また室内の空気の乾燥を防ぐために加湿器をかける、などがあります。加湿器はいろいろなタイプのものが販売されていますが、比較的小さいものならお手頃な価格のものもあります。一度、試されてみてはいかがでしょうか。

お風呂は短時間で

また、寒くなると恋しくなるのがお風呂です。日本人にお風呂は欠かせませんね。温かいお湯につかっていれば、体も芯から温まりますが、体が温まると痒くなる傾向があるため乾癬の方には長湯は禁物といわれています2 。ゆっくりとお湯につかりたいところですが、乾癬の症状が出ているときにはお風呂はなるべく短時間で済ませるようにしましょう。お湯の温度についても、熱過ぎるお湯は皮膚への刺激になりますので、お湯の温度にも気をつけましょう。また、ナイロン製のボディタオルは使わないようにしましょう。

冬の食事で気をつけたいこと

北風が吹くと食卓に上る機会が増える鍋料理。鍋料理は野菜や肉・魚など様々な食材をバランスよく手軽に食べることができる便利な料理でもあります。様々な食材をバランス良くとることは、乾癬の患者さんにとって大切なことです。温かい鍋料理を食べてお腹も心も満足、となるために気をつけていただきたいことがあります。キムチ鍋などに含まれる香辛料の取り方です。唐辛子は血行を良くしますが刺激物ですので、なるべく避けたほうが良いそうです。楽しく食事をするために、薬味の量を少な目にしたりキムチ鍋は避けたりするなどのちょっとした工夫をしましょう。

また、冬は忘年会・新年会など、何かとお酒を飲む機会も増える時期です。乾癬の悪化要因の一つに、アルコールの影響が挙げられています。完全に飲酒を絶つことは、かえってストレスになってしまいますから、飲む量に注意しましょう。

乾燥対策、お風呂の入り方、食事の内容――少し心を傾け、乾癬が悪化しないように寒い季節を乗り切っていきましょう。

参考資料

  1. ノバルティスファーマ株式会社編、今福信一 福岡大学医学部 皮膚科学教室教授監修(2015)「乾癬について」
  2. 佐藤守弘(2005)「乾癬の生活指導」;[online] http://www.teikoku.co.jp/japanese/contents/medical/kansen/kansen_pdf/13.pdf

 

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