第1回じんましん公開セミナー ハイライト−②

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第2回じんましんセミナー

左:藤田保険衛生大学坂文種報徳曾病院総合アレルギー科 矢上晶子先生
右:こどもメンタルクリニック芝 臨床心理士 吉田真奈先生

9月20日に「じんましんの原因とされるストレスとの上手な付き合い方」をテーマに、Webで参加する第一回じんましん公開セミナーを実施しました。後半の講演では、じんましんとストレスの関係性と、ストレスとの上手な付き合い方について、こどもメンタルクリニック芝・臨床心理士の吉田真奈先生にお話しいただきました。

講演に参加できなかった方、講演の内容をもう一度振り返りたい方のために、公開セミナーのハイライトを記事でお届けします。

 前半のセミナー「かゆみがつらい!」のハイライトはこちらから。

「ストレスとの上手なつきあい方」
吉田真奈先生 こどもメンタルクリニック芝・臨床心理士

じんましんによるストレスって何?

じんましんによるストレスは、主に「かゆい」ということが一番大きいと思います。そして、かゆくて仕事や家事に集中できない、かゆくて眠れないといった二次的なストレスがあります。他にも、「いつ症状が出現するか分からない」ことへの不安や、「人からどう思われているのか気になる」、「誰に相談すればいいのかわからない」、「いつ治るか分からない」などといった不安から、ストレスを感じるということもあると思います。

じんましんの症状とストレスの関係性

ストレスが内分泌系や免疫系のさまざまな側面に影響を与えるということは分かっています。そして、じんましんの症状によって、「かゆみで集中できない」、「よく眠れない」、「いつ治るかわからない」といった不安がストレスとなり、悪循環に陥った心身相関の状態になっていることがあります。

そもそも、ストレスって何? 

ストレスとは「ストレッサー」と呼ばれる原因があったときに、その方の体質や心理的な状態、習慣といった個人差要因を受けてストレス反応となり、身体や心理面、行動面に反応が出てきます。この個人差要因によってストレッサーに対する免疫の強さ、弱さが変わってくるので、ここがとても大切です。

ストレスマネジメント 

ストレスは、生活するうえで皆さんが抱えているものです。ストレスとどう付き合っていくかというところが「ストレスマネジメント」です。ストレスが溜まった状態が続くと、バランスが崩れてしまって、自動的には立て直せない状態になりますので、自分のストレスをマネジメントすることがとても重要になります。

ストレスマネジメントには、まず、「ストレッサー」となっている「ストレスの原因」は何かを知ることが大切になります。その上で、ストレスによって、「自分にどういった反応が起きているか」を知り、最後に「ストレス反応を抑える方法を修得する」ことが大切になります。

ストレス反応を抑える方法は、ストレスによる負担の大きさに左右されます。自身の状態を把握し、運動や読書、映画鑑賞など自分にあった独自の方法を習得することによって、よりストレスに対する抵抗力を高めることが、「ストレスマネジメント」の目的になります。

 

では、「ストレスマネジメント」の実行方法を見ていきましょう。

  1. ストレッサーへの介入
    まず、ストレスの原因を理解し、受け入れる環境を整備しましょう。
  2. 認知過程への介入
    人は頭に浮かんでくる考えに感情や解釈が加わっているため、全てが現実ではありません。それが害になることもあって、余計に不安な気持ちを誘発させることもあります。「妄想をやめること」が必要となります。
  3. 対処技法への介入
    “回避的な対処”というのは心理的なストレス反応を強めて、更にストレッサーの影響も強めてしまうため、避けてはいけません。回避的な対処は、皮膚の精神性発汗も強めるということが分かっていますので、じんましん患者さんは、これを知っておきましょう。回避的な対処ではなく、「向き合うこと」が大切ということになります。
  4. ストレス反応への介入
    最後に、力まないことです。「リラクセーション」は、単にのんびりした状態を作ることではないです。不安や緊張が高まり緊張してしまった筋肉を緩めることで、脳の働きを変化させるリラクセーションが必要になります。

 

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