慢性じんましんとは?
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赤み・かゆみを伴うミミズ腫れ(膨疹ともよばれる発疹の一種)に、心当たりはありませんか。
慢性じんましんは、膨疹が予兆なく現れ、少なくとも6週間は出たり消えたりをくり返して、良くなったかと思えば急にまた現れたりします1。他のじんましんとは異なり、慢性じんましんははっきりとした発疹の原因がわからないものを指します1,2。これはアレルギーでもなく、またあなた自身のからだに何か原因があるわけでもありません2。
慢性じんましん:人によって症状が異なります
人それぞれの肌の色や質が違うように、慢性じんましんの現れ方にも色々なパターンが見られます。
多くの人が経験する症状は以下の通りです。
膨疹1,3,4
- 赤く盛り上がってかゆみのある皮疹を膨疹と言います
- 慢性じんましんをもつ多くの人は、この膨疹の出現が急激に、かつ繰り返し見られます
- 膨疹の出現が6週間以上継続し、再発することがあります
腫れ(血管性浮腫)1
- 突然皮膚の深い部分に腫れが生じ、痛みを伴うこともあります
- 特に、まぶたや口唇が腫れることが多いと言われています
- 多くの場合、72時間以内に自然に腫れが治まります
慢性じんましんの特徴
- 生涯でじんましんを発症する人は全体の20%ほどと言われていますが、ほとんどの場合は短期間に治まり、再発することはありません5
- 人口の0.5-1%くらいの人に慢性じんましんが現れると言われています3
- 男性患者さんと女性患者さんの比率はおおよそ1:2です3,6。慢性じんましんを発症する患者さんはどの年齢層にもいますが、20-40代が最も多いと報告されています6,7
- 慢性じんましんの症状がいつ出るかは予測することが難しく、症状の持続時間も人によって異なります
慢性じんましんの影響は身体的な症状だけではありません
- 慢性じんましんによって生活の質(QOL)にマイナスの影響を及ぼすことがあります。特に、睡眠不足や心理的な問題(うつや不安)を抱える患者さんがいます
- 原因を特定できないこと、症状が予測できないことなど、慢性じんましんによる大きな負担によって、患者さんがフラストレーションを感じることがあります
参考文献
- Asthma and Allergy Foundation of America (AAFA) website. "Chronic Urticaria (Hives)." Accessed July 2016. Available at: http://www.aafa.org/display.cfm?id=9&sub=23&cont=328
- 秀道広ら. 日皮会誌:121(7),1339―1388,2011
- Maurer M et al. Allergy 2011; 66:317-30.
- Krueger G. Arch Dermatol 2001; 137:280-84.
- Schaefer P. Am Fam Physician 2011; 83(9):1078-84.
- 窪田泰夫. 蕁麻疹・血管性浮腫 パーフェクトマスター(中山書店)P.2-5
- 古川福実. アレルギーの臨床. 2013; 33: 22-5
参照元:http://www.skintolivein.com/urticaria/what-is-urticaria/